テクニックの向上?勝つことが目的?何がこどもたちの成長?
そんな中今回は、当クラブの退会を決断した子のお話をしていきたいと思います!
おとなとして、こどもたちにどうなってもらいたいか。こどもたちはどうしていきたいのか。
考える1つのきっかけになっていただけると嬉しいです。少し長いですが気になる方はご覧ください。
目次
- ○ 【退会を決断したAくん】
- ・・最後まで悩んだAくん
- ○ 【3ヶ月後のAくん】
- ○ 【こどもたちの成長とは?】
- ○ 【まとめ】
【退会を決断したAくん】
Aくんは4月で5年生。年中からフットサルに参加してくれていたのでかれこれ6年の付き合いになります。
色んな習い事をやり始めてきた中、やりたいことが増えてきたAくん。特に最近では野球に夢中になってきていました。
野球をやることで習い事をする曜日が埋まってきて、保護者の方の送迎の関係もあり、何か習い事を辞めないと難しい状況になってきました。
そんな中、Aくんとご家族は、家族会議をしてくださり、年度を待たずに、当クラブを退会する運びとなりました。
・最後まで悩んだAくん
親御さんからお話を聞くと、最後まで継続するかは迷ってくれていたそうです。
しかし、今の自分の気持ちを整理して自らその決断をしたということでした。実際全ての日を埋めてしまうと体が疲れてしまうことも本人は理解していました。
僕が本人と話しした時も意外とスッキリしていて、「自分で決めたから頑張る!」そう言って12月に退会しました。
ただ、休んだ分の振替があったので、その分に関しては退会後ですが参加可としました。(もちろん保険などは加入済みの状態)
【3ヶ月後のAくん】
そして、つい最近、その振替があり、Aくんが3ヶ月ぶりに来てくれました。
少し遠慮気味にでも、嬉しそうに参加してくれていました。言葉遣いも少し変わり(礼儀正しくなっていた)、野球で教わっているの良い部分が出ているのかなと?感じました。
僕も特別に何かやろうではなく、いつも通りの教室を進めていきました。
鬼ごっこ、駆け引きのあるゲーム、こどもたち同士での試合。。そして、最後はいつも通り僕と試合をして教室を終えました。
Aくんは終了後に泣いていました。やはり最後ということが悲しかったようで、みんながいるとか関係なしに泣いていました。
周りのこどもたちも特に馬鹿にすることもなく、その場の雰囲気を感じ取ってちょっとした沈黙の後にBくんが「また来ればいいじゃん!」とだけ言いました。
そうするとAくんも少し笑顔になり、終わりの挨拶で終えました。
【こどもたちの成長とは?】
この時僕は色々なことにこどもたちの成長を感じましたし、嬉しく思いました。
・Aくんがあの場で涙を流したこと。
・Bくんの発言に対して他の子も共感したこと。
この何が成長か?
Aくんがそのように泣いてくれるとは思っていませんでした。そこに対してシンプルに成長を感じたということ。Aくんにとって心、感情が揺さぶられる体験だったということだと思います。心に伝わるものを提供できていたのかなと僕自身の活動を振り返ることができました。
また、Bくんの発言はクラブを自分のことのように思ってくれているなだなと僕は感じました。
お客さん感覚でここに習い事しに来ているだけだとそのような発言にはならないかなと思います。自分が参加している、何なら自分がここの一員である自覚がないとそんなこと言えないのではないかと。。
このクラブをそのように思ってくれていることに僕は成長を感じました。(こどもたちの当事者意識が芽生えてきていること。)
【まとめ】
こどもの成長は何なのか?
これはスポーツに携わったり、教育に携わる大人としてずっと考えていかなければならないことだと思います。
技術の向上?
もちろん大切です。それでスポーツの楽しみが増えると思います。
勝つことが大切?
もちろんこちらも、成功体験としてこどもたちが経験することで自信につながったり、次へのやる気につながることがあると思います。
けれども、スポーツにはそれ以外の大切なものもたくさんあります。今回は「それ以外」のものを僕自身がたくさん発見することができました。
【おまけの話】
Aくんは地域の野球の大会で準優勝したそうです。そして、個人的に特別な賞ももらえたそうです。
大事なのはそれを獲得できた、結果が出たことではなく、Aくんが自分で頑張ると決めたことで自ら結果を掴み取ったことだと思います。これからの彼の成長が楽しみです。