テクニック(判断力や考える力)が上達するために楽しさの追求を!
今回は、こどもたちのテクニックが上達するために必要だと考える「楽しさの追求」について、テクニックをボール扱いなどの技術的な要素ではなく、「判断力や考える力」と定義した上で書いていきたいと思います。
先日当クラブのこどもたち(年長児)が、とある動画撮影のイベントに参加してきました。そこでこどもたちが仲間の指導者の指導を受けている時の様子から僕が感じたこと、観に来てくださったサッカー関係者の方からいただいたお言葉から改めて感じたことを書いていきたいと思います。
また、その時に行ったメニューの1つをご紹介したいと思います!
目次
- ○ 【色をテーマにした指導実践】
- ○ 【色々おにごっこ】
- ・①こどもたちがルールの確認のためにわからないことを聞いてくる。
- ・②こどもたちで教え合う
- ・③何度もチャレンジし続けるこどもたち
- ○ 【楽しい遊び、スポーツを通した「考える力」】
- ○ まとめ
【色をテーマにした指導実践】
今回、仲間の指導者と事前に打ち合わせをしながらメニュー作りをしました。その時に、普段のこどもたちの様子からどんなことができるかを話し合っていました。
その中で、「観る力」や「判断力」が身につくようなことはないかということの話になり「色」をうまく使ったトレーニングをやってみようということで進めていきました。
【色々おにごっこ】
おにが指定した色に触っていればタッチされないというルールの色おに。それとは違うルールだけれども「色」を意識したおにごっこです。
青、赤、黄色のフープを用意し、逃げる範囲にランダムに置いておきます。
逃げる側は、おにに捕まってしまったら、その置いてあるフープに入らなければいけません。(ドロケイで言う牢屋にあたる)
そこに捕まった人が助かるためには、「アイテム」を持った状態で仲間にタッチしないといけません。(アイテムはこの時ビブスにしました)
ただし、助けられるのは、フープと同じ色のビブスを持っている人しか助けられないというルールです。
実際にやってみると様々な現象が起こり、指導者として予測していたこと以外の現象も観ることができました。
①こどもたちがルールの確認のためにわからないことを聞いてくる。
当たり前のことかもしれませんが、一度聞いてわからない子は確認のために指導者に聞いてきます。しかし、この当たり前が他の指導者の方からすると「あんなに質問してくるなんてすごい積極的な子たちだね!」そう言われました。
普段の教室の時もこどもたちは質問ばかりしてきます。(それだけ、理解しにくいことをやっているのかもしれませんが、、)そもそも、質問をしてくるということは、こどもたちが自分で考えている証明にもなります。
この時に、考えるということが習慣になっていることを実感しました。
この年齢の時に習慣となっていることは重要なことなのかもしれません。
②こどもたちで教え合う
ルールがわかっていざ始めてみると、やはり何人か間違ってやっていました。具体的には逃げる範囲を大きく超えて逃げてしまうことや捕まってもずっとビブスを持ってしまい、助けるためのビブスが無くなってしまったということです。大人が注意して修正することもできますが、その前にこどもたちで
「違うよ!ここまでしか逃げられないよ!」や「捕まったらビブスは置くんだよ!」というように教え合うことが生まれていました。大人が介入しなくとも自分達で遊びをものにしているようでした。
③何度もチャレンジし続けるこどもたち
鬼から逃げている間、捕まった友達のことを観ながら何度も助けられるタイミングを伺っていました。捕まっても「こっちに助けに来てー!」、「ビブスが向こうにあるよー!」などいつの間にか声を掛け合っており、チームプレーが生まれていました。自ら判断するだけでなく、仲間を意識して指示(コーチング)して助かろうと必死です。
鬼のこどもたちも「挟み撃ちをしよう!」と作戦を立て、「そっち行ったよ!」や「フープを守ってて!」と捕まえるために色々な方法を考えていました。
【楽しい遊び、スポーツを通した「考える力」】
こどもたちにとっては、楽しい遊びですが、おにごっこというメニューだけでも、「判断力」や「観る力」そして「考える力」という要素を養える多くの場面を見つけることができました。
そう考えると、やはりどうやってこのような状況、環境を作り出せるかが指導者にとっては大事だと改めて感じました。
まとめ
今回は、こどもたちの様子も交えながらお伝えしてきました。ここで言う「テクニック上達」は「ボールが上手く扱えること」ではなく、「判断、考える力」をテクニックとして定義してみました。
先ほども述べたように、ボールが上手く扱えるなどの技術的なことは大事になりますが、今回客観的にこどもたちを観察できたことで、改めて判断する力、考える力、それを作り出す環境(メニュー)が大切であることを実感しました。
これらの力は普段の生活でも必要不可欠な力であると思います。
そのように考えると、普段のトレーニングがどれだけ楽しくしていけるか。そして、子どもたちの力をどれだけ引き出してあげられるのか。これらが大切であると感じます。
今回のイベントは、指導者が新しいことを取り入れたり、学び続けていくことがとても大切だなと改めて感じた良いきっかけとなるイベントでした。